Have a nice day

とりとめもないおはなし

ラジオとUnderworldのはなし

ラジオを買う

6年ぶりにUnderworldが新譜を出すよ、TOMATO PROJECTの25周年の展覧会が渋谷パルコであるよ、だいすきなカールおじさんとリックおじさんが渋谷でサイレントディスコ的なライブをやるよってんで意気込んでいたのだが、ライブにもVR体験コーナーにもゆけなかったため、思案した結果、980円ラジオを設えて渋谷の街を3時間歩いた。ライブは渋谷のラジオで生配信。渋谷でしか、ラジオでしか聴けなかったのです。やほほ。

 

ほんとうは、Boseの巨大スピーカーに刺さったままのiPod nanoちゃんを連れてくればよかったのかもしれないが、ラジオを買う、まぁなんともわくわくするものだ。東口のビックカメラのエスカレーターをしゅっと駆け上がって、一番安かったラジオと単4電池をぱっと買う。そそくさと店をとび出してさっと電池とスイッチを入れる。アンテナをぴょっと伸ばす。

 

ずざざざざざざざががががががどどきゅぱぱ

 

ダイヤル式だった。くるくるするやつ。選曲も音量もうにうにしながら調節しなくてはならない。86と92の間にたいして幅がない。87.6を探さなくてはならない。お姉さんの声やジャカジャカした音楽を行ったり来たりしているとお誕生日の歌が聞こえた。どうやらこれらしい。渋谷のラジオが4月に始まるよっていうはなしと、Underworldのはなしやインタビューと、番組のジングルなどなど。それから、お便り紹介コーナーで自分がつぶやいたラジオ買ったはなしを紹介されてしまって、こそばゆくなる。

 

渋谷うろうろ、うろうろ渋谷

アンテナ伸ばしながらパルコの方に向かう。途中の坂には今回の展覧会の一貫でARが柱に貼ってある場所があり、iPhoneを近づけて作品を映したりしている間にパルコ前。展覧会は今度来るもんね、と思いながらラジオ。歩いてると電波がぶれぶれで、すぐにびゃびゃびゃってなるからアンテナはこの角度、本体はこっちの方向ってダウジングするように歩く。電波の良い場所では動きたくなくなるのだけど、それが道のど真ん中だったりするから居場所を探しながらひたすら歩く。

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「17時29分にセンター街」ってしきりにラジオがしゃべるので一度スクランブル交差点に戻る。グリコヴィジョンに箭内さん。それから、もう一度センター街に戻るとスピーカーからラジオ。

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 センター街にスピーカーがあることを知らなかった。待ち人の整列や抱擁しましょうって人たちと急ぎ歩く速度とか、各種店舗からのどんちゃんな音楽があることくらいか知らなかった。わたしは渋谷を歩くときはたいてい耳の中でいろんな曲を聴いているから知らなかった。知ることがなかった。そこから今自分がラジオで聞いている話声や音楽が聞こえてる不思議。耳元の音は相変わらず雑音だらけだけど嬉しくてスキップしたくなる。

 

番組では、カールおじさんへのインタビュー(新譜のタイトルの由来、5年前の地震のはなし、展覧会のはなし、倫敦五輪のはなしもあったような)、これから行われるライブのはなし(Twitterで場所がわかってしまったので心底羨ましくなる)、カールおじさんによる渋谷ラジオのジングル(いつものよい声)、これからの渋谷ラジオのはなしが続く。日没が近い。

 

カールおじさんとリックおじさんの音楽

それから、日が暮れて、18:15すぎくらいにUnderworldの音楽がはじまった。屋上さむいんだろうな。でもカールおじさんに会えてるみなさんうらやましいな。いいないいな。うれしいな、などとふわふわ考えつつ、もう動かないで、良い場所を探そうと建物まえの柵に腰掛ける。

 

ラジオからUnderworldの音楽が流れてるけど、人は歩いてゆく。スピーカーを見上げる人はいたりいなかったり。夜の渋谷のきっといつもの風景にただラジオが流れてる。なんでもない風景なのかもしれない。新しい曲が2曲じんわり演奏されて、カールおじさんは「The central heating is coming in a moment」てのたまって、“暗黒列車”(未だに壁を赤ちゃんが這ってくるトラウマある)と“二ヶ月休暇”が流れて気持ちが高揚する。

 

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再起不能のりんご電話はあきらめつつもポケットの中のラジオは一生懸命音を流してくれるから(とてもよい音質だった)、手がどんどん冷たくなろうがそこから離れがたくてずうっと座っていた。隣で待ち合わせてる人が3回くらい入れ替わった。今日しか聴けないラジオで、大好きな音楽を聴けている。うひひ。きっとカールおじさんはいつものくねくねダンスで、たぶん縞々のカットソーなんかを着てるんだろうな。るんるん。

 

渋谷のラジオのスタジオを見てみたかったためにどうしても地図が必要で、充電しようと思い、腰を上げた。りんご店に駆け込む。ラジオには“rez/cowgirl”が流れている。優しいりんご店の店員さんが充電をさせてくれている間、わたしは一番外に近いところでアンテナを最大に伸ばして音楽を聴いている。

最後はやっぱり“ボーン・スリッピー”。忘れもしない映画でもわぁってベグビーがレントンに煙草の煙を吹きかけるところ。

www.youtube.com

朝に家に帰ってくることがあるときは明け方の空をみながら必ずこの曲を聞きたくなる。夜の渋谷で今日だけのこの曲をラジオで聴いている。ざじゃじゃずずがががっていう音と混ざりながら演奏が終わって、街に戻る。3時間ばかり、街をうろうろしながらラジオを聴いていた。ダイヤル式のこのラジオがとてもかっこよく見えた。

それから、少しばかりの電力を得たりんご電話を持って、渋谷ラジオのスタジオをちらっとみて、帰路。

 

ゆきなれた街で、だいすきな音楽を聴いた。

よかったなぁ。たのしかったなぁ。

 

we face a shining future

今から10年前に、あのオレンジの表紙のTrainspottingの本を貸してくれたひとがいて、あらなんということでしょう恐ろしい(堕落していると言う意味で)人たちもいるものだわ、となんとなく優等生で通ってきた大学生になりたてのわたしは話をぼんやりとしか理解できず、しかしながら、Iggy PopBlur公園で鳩にエサをやる歌にめちゃくちゃ感化されて、らりらりのユアン・マクレガーにきゅんきゅんして、最後のBorn Slippy xxが終わったあとに長い深呼吸をしちゃったり、Choose Lifeって偉そうに言ってみたりしていた。

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当時はまだダンスミュージックに鼓膜が耐えきれないこともあったけどUnderworldのそれは和音がとおっていて、思わず背筋がのびたり、車窓を眺めたくなったり、くたくたの帰り道でぼぅっとなったり、自転車を漕ぎながら叫びたくなったり、絶妙なタイミングでiPodちゃんが選んでくれたりで、とてもとてもぐっとくるものだった。

 

それから、2010年に初めてカールおじさんをお見かけして、

 2011年にもお見かけして、

2013年のカールおじさんのソロCDのミニライブ@渋谷タワレコではサインがもらえる人が20人で、彼が順番に好き名番号を読み上げたときに最後の番号を読んでもらえて一緒に写真とってもらえて、そのあとフジロックでステージを見ることができて、

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 2016年に至る。今日はBarbara, Barbara, we face a shining futrueの発売日です。

ただただ、カールおじさんとリックおじさんが作る音楽がすきである。

https://www.instagram.com/p/BC-ec3-MKPE/

six years! #underworld #barbarabarbarawefaceashiningfuture

 

 

夏にまた聴けるとよいなぁ。きっと千葉でまたUnderworldに会いたい。

 

余談

いちばんすきなUnderworldの曲はScribble。


Underworld - Scribble Live 17 7 2010 Roundhouse iTunes Festival London

 

いちばんすきなカールおじさんの曲はYour Perfume Was The Best Thing


Karl Hyde - Your Perfume Was The Best Thing

 

 すきなTrainspottingの台詞は、

Choose Life

ではなく、

Choose no tae choose life... ah jist intend tae keep right on to the end of the road -Trainspotting / Irvine Welsh-

 

おあとがよろしいようで。